Black Diamondの折畳み式トレッキングポールは、カーボン製の「ディスタンス カーボンZ」が有名です。
兄弟モデルとなるアルミ製の「ディスタンスZ」は、カーボン製より重量はありますが、値段・強度・重量のバランスがとれたトレッキングポールです。
この記事ではアルミ製の「ディスタンスZ」の使用レビューと、「ディスタンスカーボンZ」を含む購入時に比較した折畳み式トレッキングポールを紹介します。
ディスタンスZ(2022年モデル)の紹介
サイズ | 100cm | 110cm | 120cm | 130cm |
収納時サイズ | 33cm | 37cm | 40cm | 44cm |
重量(1ペア) | 316g | 330g | 344g | 358g |
Black Diamond「ディスタンスZ」は固定長タイプの折りたたみ式トレッキングポールです。
アルミ製のトレッキングポールの中では軽量です。
2022年モデルからスライドロック機構が改良され、ボタンが楕円形で操作しやすくなっています。
先端のバスケットは付け替えができるようになり、スノーバスケットを取り付けられます。
価格は¥14,630です。
ディスタンスZの使用レビュー
私たちはこれまで、同じブラックダイアモンドの「W’s トレイル」という伸縮式のトレッキングポールを使っていました。
折りたたみ式のディスタンスZの良い点・気になる点を伸縮式との比較を交えて紹介します。
やっぱり軽い(316g)
100cmモデルの重量はペアで「316g」です。
軽量なので、長時間歩いてもすいすいポールを前に出すことができます。
アルミ製のポールは2本で400~500gの製品が多いです。
ザックの片側に外付けする場合、500gあるトレッキングポールでは荷重バランスが悪くなります。
「ディスタンスZ」はザックに外付けしても重心の偏りを感じにくく、軽さが実感できました。
通気性のあるストラップ
ストラップは軽量化のためメッシュ素材です。
汗抜けが良く、雨で濡れても早く乾くので気に入っています。
クッション性のあるストラップに慣れていると、気になる人もいるかもしれません。
伸縮式より組立て収納が速い
伸縮式と比較すると、折り畳み式の方が、組立ても収納も素早く行えます。
岩場や鎖場などでポールを使う/使わないを繰り返す登山道では収納・組立てが速いと楽です。
収納がコンパクト
収納時の長さが短くコンパクトです。
伸縮式の「W’s トレイル」が62cmなのに対し、折り畳み式の「ディスタンスZ」は33cmです。
ザックに外付けした場合、以下の写真のような差があります。
折りたたみ式はコンパクトに収納できます。
ザックの中に入れることもでき、電車での移動時に便利です。
収納時に長さがあると小さいザックでは飛び出てしまい、周囲に引っかかる可能性があります。
シンプルな構造で強度がある
「ディスタンスZ」は固定長ポールのため、登り/下りに合わせた長さ調節はできません。
5~10cm程度の長さであれば、グリップの握る位置を上下することで調整できます。
伸縮式ポールを使っていた最初は長さ調節をしていましたが、段々とトレッキングポールに頼らなくなったため、固定長で問題ないことに気付きました。
このポールは長さ調節機構がないことで、シンプルな構造であるため壊れにくいです。
地面について少し力を入れてみても、剛性がありほとんどグラグラしません。
スノーバスケットが交換式になった
2022年モデルからバスケットが交換式となり、スノーバスケットは差し込む(ネジが切ってある)ことができます。
バスケットの付け外しはかなり固いです。
以前のモデルは横からスライドではめる仕様でした。
ディスタンスZのスノーバスケットは、雪の上で使用するには小さめです。
浮力がないため、新雪で積雪量が多い場面では適していません。
基本的に無雪期向きで、積雪期でもスノーハイキング程度の使用が限度だと考えていますが、夏専用とならず汎用性が高いことが気に入っています。
先端のティップは交換式(ラバーティップ付属)
ほとんどのトレッキングポールは、登山道や植生保護のためカーバイドティップにラバーキャップをつけて使用します。
このポールには、カーバイドティップだけではなく、先端がゴム素材のラバーティップが付属しているため、ラバーキャップがなくても使用できるようになっています。
ただし、ラバー”キャップ”と比較すると、ラバー”ティップ”は鋭利です。
私たちは植生保護のため、カーバイドティップに別売りのラバーキャップをつけて使用しています。
また、カチコチの雪渓などでカーバイドティップを使用したい場合、ラバーティップから付け替えるには、ペンチなどが必要となります(固いため手で交換はできない)。カーバイドティップ+ラバーキャップであれば、キャップを外すだけでOKです。
ポール自体が軽いのでラバーキャップをつけると重さを感じ、重心が先端に寄る点は少し気になります。
バスケット装着用の溝にラバーキャップがフィットするので、外れにくいです。
私たちはAmazonで購入したラバーキャップを使用しています。
Black Diamondの純正品より消耗が早いですが、価格が安く穴が空いたら交換して使用しています。
伸縮式のポールに使用するメーカー純正と同じフィット感で、ラバーキャップが外れることなく使用できています。
山でキャップを失くすとゴミになってしまうので、きちんとフィットするものを選びたいですね。
「ディスタンスカーボンZ」含む購入時に比較したポールの紹介
購入時、折りたたみ式のトレッキングポールであるBlack Diamond「ディスタンスカーボンZ」、mont-bell「U.L.フォールディングポール100」、Mountain King「Trail Blaze」と比較しました。
メーカー | Black Diamond | Black Diamond | mont-bell | MountainKing |
製品名 | ディスタンスZ | ディスタンスカーボンZ | U.L.フォールディングポール 100 | Trail Blaze |
素材 | アルミニウム | カーボン | アルミニウム | アルミニウム |
長さ | 100cm | 110cm | 100cm | 100cm |
収納サイズ | 33cm | 33cm | 32cm | 不明 |
重さ(ペア) | 316g | 276g | 278g | 250g |
価格 | ¥14,630 | ¥21,890 | ¥11,660(¥5,830/本) | ¥20,350 |
ディスタンスカーボンZは最小が110cm
Black Daimond「ディスタンスカーボンZ」
ディスタンスZの兄弟モデルで、カーボン製です。
ポール先端の仕様やグリップ、ストラップなどはディスタンスZと同様です。
ディスタンスZよりさらに軽量ですが、カーボン製なので価格は高いです。
軽量に特化している分、アルミモデルのディスタンスZと比較すると剛性感が低く感じられました。
公式サイトでは「強い衝撃で破損することがあり、最悪の場合死亡または重症を負う可能性がある」と警告が記載されています。
mont-bell「U.L.フォールディングポール 100」
mont-bellの軽量トレッキングポールで、アルミニウム製の中でも特に軽いです。
サイズ展開は100cm~120cmの4種類があります。
軽さに特化しているため、かなりシンプルな作りです。
グリップ部分はストレートで握る位置を自由に選べます。
Mountain King「Trail Blaze」
MountainKingはイギリスのトレッキングポール専門メーカーで、「Trail Blaze」はトレランで使用する方が多いモデルです。
アルミ製ですが、2本で250gという軽さに驚きました。
小さめのバスケットや先端のラバーティップも付属しています。
メッシュ素材の独特なグリップで、分厚く把握しやすくなっています。グリップ部分に長さがないため、持つ位置でポールの長さを調節するのは難しいです。
ポールの中を通るショックコードは最後に引っ張り、溝に結び目を固定するという珍しいタイプです。切れても調整しやすい利点があります。
5色のカラーから選ぶことができるのも楽しいです。
まとめ
Black Diamond「ディスタンスZ」はディスタンス カーボンZの陰に隠れていますが、強度・重量・価格のバランスが取れた使いやすいトレッキングポールです。
アルミニウム製ポールの中では比較的軽量で、折りたたみ式で長さ調節機構がないため、シンプルで素早くコンパクトに収納可能です。
以下のようなポールを探している方にオススメです。
- 長さ調節が不要
- 軽量なものがいいが、強度も捨てられない
- 夏山メインだけど、簡単な冬山でも使いたい
トレッキングポールの購入を検討している方の参考になれば嬉しいです。
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