HILLEBERG(ヒルバーグ)のテントはキャンプ場ではよくみかけますが、山のテン場で見かける機会は少ないです。
ヒルバーグのテントは他のテントと比較して重くて大きいので、「本当に山に持って行けるのか」と不安に感じてしまいます。
私たちはキャンプをメインとして登山にも使いたいと思い、ALLAK2(アラック2)を購入しました。実際使用してみて、担ぎ上げる体力があり、安心・快適というメリットが重量・サイズというデメリットを上回るシーンでは優れたテントだということが分かりました。
この記事では、登山でヒルバーグ「アラック2」使用する場合のメリットとデメリットを紹介します。
アラック2 登山使用でのメリット
悪天候でも耐えられる強度がある
災害級の台風や豪雪などを除き、多少の雨や風、雪に耐えられるように作られています。
ヒルバーグのテントはKelron(ケルロン)という引き裂き強度が高い素材を使用しています。
軽量な山岳テントより生地が厚めで、引っ張っても伸びない硬さ(コシ)があります。
ガイラインやポールの太さは一般的な山岳テントより太いです。3本のポールで設営し、ポール先端がスリーブに入ることで更に強度を上げています。
アウターテントが地面すれすれまで覆っているため、テント内への風の侵入を防いでいます。
強風の一夜を過ごしたことがあります。
周囲のテントが風に煽られ、夜間にペグを打ち直す音が聞こえる中、アラック2は多少バサバサと音がするものの、テント内には影響がなく安心して寝ることができました。
4シーズンの使用を想定していて、悪天候時でも安心して過ごしたい場合に最強
設営・撤収が速い
自立式でアウターテントとインナーテントが一体となっているため、すぐに設営撤収できます。
設営は3本のポールをスリーブに通してクリップをつけ、ペグダウンするだけです。
スリーブは色分けされていてわかりやすくなっています。3本のポールは全て同じ長さなので間違うことがなく、素早く立てられます。
タフな登山で疲れたとき、雨などの悪天候のとき、設営撤収が楽なのは助かります
2人で使用しても広い
2人用山岳テントとしてはかなり広いです。
インナーテントは頭側130cm、足側120cm、長さ225cmあり、大人2人で寝るには十分な広さです。寒い時期などはぴたりとくっつけば、大人3人で寝ることもできます。
前室が両側についていて、奥行きが最大75cmあります。片側だけで2人分の登山靴とザックを置くことができ、悪天候時はテント内で調理をするスペースを確保しやすいです。
インナーテントは外すことができるため、アウターテント一枚でフロアレスシェルターとして使用できます。大人3名でも余裕のある広さです。
居住性抜群でベースキャンプ用テントとする場合は非常に快適です
アラック2 登山使用でのデメリット
山岳テントの中では重くて、大きい
重量と収納サイズが一番のネックです。
重量は、ガイラインやペグ、スタッフサック等込みで3.3kgです。
近年、軽量なテントが多く販売されていて、2人用山岳テントでも1kg前後のものが多くあります。
アラック2はヒルバーグのテントの中では軽量モデルの位置づけですが、他メーカーのテントと比較すると全く軽量ではありません。重量よりも耐久性や快適性を重視したテントだなあと感じます。
収納サイズは、2人用の山岳テントと比較すると倍以上です。
悪天候での撤収を考慮して、大きめの収納袋になっていることもありますが、圧縮してもびっくりする大きさです。
ペア登山で荷物を分担しましたが、一泊二日テント泊で40リットルのザックではテントだけで半分のスペースを消費して他の荷物が入らなかったので、65リットルの大きさのザックに買い替えることになりました。65リットルのザックでも大体1/3のスペースを消費します。
重量と収納サイズについては、耐久性・快適性のトレードオフとして受け入れるしかありません。
私たちは標高差2000m以上の登山でアラック2を担いでヘトヘトになって景色を楽しめなかった経験から、軽量なテントを新しく購入しました。ベースキャンプを設置するような登山ではアラック2、体力的にタフな登山では軽量テントと使い分けています。
設営面積が広いため、狭いキャンプ地に不向き
居住性の良さを生み出す設営面積の広さは、狭いキャンプ地ではデメリットです。
インナーテントと前室合わせて4.5㎡あります。前室が広く両側にあるため、どうしても設営面積が大きくなってしまいます。
日本の急峻な山は狭いテント場が多いです。
特に区画が区切られている場合、設営できない可能性があります。
岩場など整地されていないテント場では、平らな場所を見つけるのが大変なこともあります。
設営するテント場について、事前に情報を得ておくのがオススメです。
まとめ
ヒルバーグ「アラック2」は4シーズン対応で全天候に耐えられる城のようなテントです。
天気が変わりやすい山岳シーンでも安心ですが、オーバースペックであることは否めません。
ヒルバーグでは軽量モデルの位置づけですが、他の山岳メーカーのテントと比較すると重いのが事実です。テントの耐久性の高さと引き換えに、総重量は3.3kgです。
この重量を重い/軽いと判断するかは使う人の山行スタイルによりますが、4シーズン使用し、悪天候時でも山を歩くときやベースキャンプとして使用するには最適なテントです。
万人向けのテントではありませんが、テントに絶対的な安心感・信頼感を求める方には、オススメです。
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