最近、海外メーカーのテントを山で見かける機会が増えてきました。
アフターサポートやコストパフォーマンスでは圧倒的に国内メーカーが有利ですが、海外の雰囲気を感じられて人と被らない海外メーカーのテントを選ぶのも楽しいです。
私たちは「2人用・軽量・自立式」を条件にテントを探して、BIG SKY Internationalの「Glacier 1.5P tent」を購入しました。
この記事では、テント購入時に候補となった海外メーカーの「2人用・軽量・自立式」テント5つの比較を紹介します。
「2人用・軽量・自立式」を条件に比較したテント5選
「2人用」「軽量」「自立式」を条件に、私たちがおしゃれなデザインだと思った5個の海外メーカーのテントを比較しました。
メーカー | BIG SKY International | ZERO GRAM | NEMO Equipment | HILLEBERG | SEA TO SUMMIT |
テント | Glacier 1.5P tent | El Chalten Pro 2P | TANI 2P | UNNA | ALTO TR2 PLUS TENT |
フロアサイズ | 213×(頭側)115×(足側)102×100cm | 210x120x101cm | 220×130×104cm | 230×110×100cm | 215×(頭側)134×(足側)97×105cm |
収納サイズ | 36×15cm | 48×20×20cm | 本体: 22×17×13cm ポール:44×6cm | φ15×50cm | 12×12×52cm |
重量 | 1360g | 1517g | 1180g | 2000g | 1274g |
ウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール |
設営方式 | 自立式、吊り下げ一体型 | 自立式、吊り下げ一体型 | 自立式、吊り下げ、フライ/インナー別 | 自立式、吊り下げ一体型 | 半自立式、吊り下げ、フライ/インナー別 |
フライシート素材 | 15DスーパーシルULファブリック 両面シリコンコート | 15D N/R silicone/PU coated | 15D Sil/Silナイロン | 30D High Tenacity Ripstop Nylon66 、両面100%シリコン加工 | 15D PeUリップストップシルナイロン |
インナーテント | Breathableファブリックノーメッシュ仕様、透湿性DWRコーティング | 20D monofila | 15Dナイロン/メッシュ | 30D Ripstop Nylon、耐久性撥水加工 | 20Dリップストップシルナイロン |
フロア素材 | 15Dナイロンノンスリップ、シームテープ処理済み | 20D N/R silicone/PU coated | 15D Sil/PeUナイロン | 70D Nylon、ポリウレタン3層コート | 20D PeUリップストップシルナイロン |
価格 | 66,000円 | 79,200円 | 67,100円 | 107,800円 | 65,560円 |
特徴 | ・バランス型 ・2人使用は狭め | ・最も設営楽 ・設営に必要な付属品全てついてくる ・インナーテントが結露に強い | ・最も軽い ・持っている人が多い | ・最も頑丈 ・重い | ・広いテント内空間で快適 ・小物が便利 ・珍しいデザイン |
BIG SKY International「Glacier 1.5P tent」
BIG SKY Internationalは軽量で良質なテントを生産するアメリカのメーカーで、自立型のダブルウォールテントを多く扱っています。
「Glacier 1.5P tent」は1~2人用の軽量テントです。
重量は1360gと2人用の4シーズンテントとしては軽いです。
フライにはスーパーシルULファブリックという強度がある素材を使用しています。
インナーテントは透湿性と撥水性のある素材により結露でインナーテントが濡れるのを防いでいます。
デメリットは2人用としては狭いこと、前室がほとんどないことです。
私たちは比較したテントの中から「Glacier 1.5P tent」を購入しました。
ZERO GRAM「ALL NEW El Chalten Pro 2P」
ZERO GRAMには人が自然に入る影響を限りなく「ゼロ」にしたいという意味が込められています。キャッチフレーズである”Save Earth Save Us”をコンセプトにした韓国のアウトドアメーカーです。
「ALL NEW El Chalten Pro 2P」は自立型ダブルウォールテントで、初めてのテントとして大変使いやすいテントです。
一番の特徴は設営撤収3分という簡単さです。
吊り下げ一体型のテントはインナーテントとフライシートが一緒に立ち上がりますが、El Chaltenはフットプリントも一体になっています(取り外し可能)。そのため、ポールを付けてフックをかけるだけで設営完了です(実際はペグダウン等があるためもう少しかかります)。
出入口は長辺側両サイドにあり、2人で使用するには便利です。
3本のポールによって耐候性を強化し、かつテント内の広さを確保しています。
インナーテントは通気性と撥水性があるモノフィラメントという素材が使われていて、結露が発生しません。
重量はフライ、インナーテント、ポール、ガイラインを合わせて1,517g、フットプリントとペグを合わせた総重量は1,855gです。最近のテントとしてはとても軽いとまでは言えませんが、快適な居住性と設営撤収の簡単さとのトレードオフという感じです。
とにかく使いやすさ重視、細かいことに気を取られたくない、軽さは2kg以内ならOKくらいのスタンスならとても相性が良いと思います。
フットプリントやペグ、ガイラインが全て付属品であることがさすが韓国ブランドという感じがしますね。
設営に必要なものが全て付属しているとはいえ、お値段はあまり優しくありません。
NEMO Equipment「TANI 2P」
NEMO Equipmentはデザイン性と独創性を備え、冒険に挑戦する人を支えるアメリカのアウトドアギアメーカーです。
「TANI 2P」はNEMOが日本の山岳シーンのためにデザインしたモデルです。
自立式ダブルウォールテントの中では圧倒的に軽いです。
インナーテント、フライ、ポールで1180gです。2人用の重量とは思えません。
インナーテント短辺は130cmあるため快適な広さです。前室は80cmの奥行きがあり、かなり広々しています。荷物を置いたり、調理をしたり、前室が広いと雨でも過ごしやすいため助かります。
出入口は長辺側の片側のみですが、テント内と前室が広く、出入口が大きく開くため不便ではなさそうです。
多数のベンチレーションによって通気性がとても良いです。
一般的なテントはインナーテントの上部がメッシュとなるものが多いですが、このテントは出入口下部の約半分がメッシュになります。就寝時に体に近い部分が換気されることで夏場に快適そうです。
インナーテント後部もメッシュ窓があり、フライシートは後部と前室にベンチレーションがついています。内部の熱気を逃すことができ、暑いときの温度調節に有用です。
雨天時にテント内で調理をする場合にも換気ができると安心ですね。
生地は15デニールと薄いため、取り扱いには若干注意が必要です。別売りのフットプリントを使用しましょう。
HILLEBERG「UNNA」
HILLEBERGはスウェーデンのメーカーで、強靭でデザイン性あるテントを作っています。
「世界の果てまでイッテQ!」でイモトアヤコさんが南極ヴィンソン・マシフへ登った時にベースキャンプで使われていたテントはHILLEBERGでした。
HILLEBERGの製品の特性により5つのレーベルに分類されます。
「UNNA」はオールシーズンに対応しつつ、強度より軽量さを重視するレッドレーベルのテントです。
HILLEBERGのテントは、Kerlonという独自の強度がある生地を使用しています。Kelronはシリコンコーティングされた生地で加水分解せず、長く使用することができます。
フライシートの耐水圧は5000mm、フロア15,000mmと群を抜いています。
HILLEBERGの製品の中では強度より軽量さ重視のテントに分類されていますが、テント素材やポールの強度は他テントと比較してとても強く、荒天や4シーズンに対応できるため、重さは2000gとあまり軽くはありません。ペグ等含む総重量は2300gもあります。
「UNNA」は1人用テントですが、インナーテントの幅が110cmあるため、ギリギリ2人で使用できる大きさです。前室がないため、狭く感じるかもしれません。
長辺側の出入口は大きく開放的で、天気が良い日は気持ち良く過ごせます。
長辺の長さが230cmあるため意外と大きく、狭いテント場では使用しにくい可能性があります。
SEA TO SUMMIT「ALTO TR2 PLUS TENT」
SEA TO SUMMITはスリーピングバッグライナー製造から始まり、海から山頂まで使える幅広いアウトドアギアを製造販売しているオーストラリア発祥のメーカーです。
「ALTO TR2 PLUS TENT」は独特な形状の半自立式テントです。
ポールによって3点で支えられ一応自立しますが、テントとして使用するためにはペグダウンが必要です。
上部のテンションリッジによって天井高を上げ、インナーテント内部と前室を広くし、テント内の居住性を上げています。
インナーテントは頭側のフロアが垂直に立ち上がるため、雨が侵入しにくい上にテントを最大限まで広くする工夫が施されています。
ベンチレーションによる通気性が確保されており、熱気を逃し結露を抑える構造になっています。
また、他のメーカーにはないおもしろいアイディアが特徴です。
テント本体、フライ、ポールがそれぞれ別のスタッフサックに収納された「モジュラーストレージシステム」によって濡れたフライとテントを分けたり、仲間で分担して持つことができます。
収納バッグが3つもあるのかと思いきや、収納バッグはテント内でポケットやライトバーとして使用できるなど、細かいところまで考え抜かれています。
背負った重量を1gも無駄にしないという情熱を感じました。
まとめ
海外メーカーの「軽量」「自立式」「2人用」のオシャレなテントを比較しました(おしゃれは私たち基準)。
テントの購入において何を重視するかは人それぞれです。
ちょっと変わったデザインでテント場で個性を出したい、人とかぶらないテントがほしいなどの場合、海外メーカーのテントを検討するのがオススメです。
国内メーカーと比較すると価格が高いテントが多いですが、お気に入りのテントに出会えたらテント泊がより一層楽しくなりますよ。
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