赤ちゃんとキャンプに行く時に考えなければならないのが虫よけ。
赤ちゃん肌は弱く、虫に刺されたときにひどくなりやすいです。
しっかりと虫対策してあげたいですが、大人と同じ成分の虫よけや殺虫剤が使えない場合もあります。
この記事では、赤ちゃんとキャンプに行くときに安心して使える虫よけアイテムの選び方とおすすめ製品を紹介します。
【結論】キャンプの虫対策は赤ちゃんの体質や環境によって組み合わせよう

赤ちゃんも大人と同様に、可能な限り長袖・長ズボンを選び、肌が露出している場所を虫よけスプレー等で対策しましょう。
肌が露出している部分は、念入りに虫よけを塗布して塗り残しをなくすことが重要です。
また、キャンプ場で水遊びをする場合は、虫よけが流れやすく、塗り直しが手間となるため、蚊取り線香のような殺虫剤を組み合わせるのがオススメです。
以降では、赤ちゃんでも安心して使える、虫よけや殺虫剤について、解説していきます。
赤ちゃんとキャンプに行く時の虫よけの選び方・使い方

まず、虫対策の基本となるのが虫よけです。
ディートよりもイカリジンの虫よけがオススメ
虫よけに効果があるとされている主な成分は、「ディート」と「イカリジン」の2種類。
ディートには年齢制限や使用回数制限がありますが、イカリジンには制限がありません。
年齢制限や使用回数の制限については後述します。
「虫よけ」は透明マントのようなものです。虫を寄せ付けないわけではなく、寄ってきた虫(蚊など)の感覚を麻痺させ、皮膚を刺せなくする効果があります。
基本的に露出した肌に使用し、衣服にかけても効果ありません。
ただし一部、タイツ等の上から差してくる虫の対策としては、衣服にかけることも有効です。
イカリジンの注意点は対象となる虫の種類
イカリジンの対象となるのは蚊、ブユ、アブ、マダニの4つのみです。
ディートはイカリジンの対象となる虫に加えて、ノミ、サシバエ、ツツガムシなどにも効果があります。
イカリジンはディートと比べると対象の虫が少なくなりますが、以降で説明するディートの使用制限などを考慮すると、一般的なキャンプ場では十分だと考えられます。
成分の濃度は持続時間の長さ
虫よけ製品の成分を見てみると、「有効成分〇%」といった記載があります。
成分が濃ければ、効果が強いわけではなく、持続時間が長くなり、塗り直しの手間を抑えられます。
一般的な虫よけに含まれるディートは濃度12%で3時間程度、イカリジンは濃度5%で6時間程度、濃度15%で8時間程度の効果があるとされています。
以下の厚生労働省のディートの使用制限を踏まえると、ディートの虫よけの場合は、6か月以上2歳未満は1日1回しか使用できないため、1日中屋外にいるキャンプでも、3時間程度しか効果が得られません。
イカリジンは年齢や使用回数の制限がないため、濃度に合わせて適切に塗り直すのがオススメです。
厚生労働省では、小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用し、顔には使用しないよう案内しています。
- 6か月未満の乳児には使用しないこと。
- 6か月以上2歳未満は、1日1回
- 2歳以上12歳未満は、1日1~3回
なお、ディート30%の製品は12歳未満への使用は禁止されています。
天然成分で有効なのは「ユーカリ油」のみだが、使用には注意
赤ちゃんや小さな子どもには天然成分を使ってあげたいと思われる方も多いでしょう。
天然成分で虫よけ効果が検証されているのは「ユーカリ油」のみとされていますが、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)では、3歳以下の子どもへは使用しないように案内しています。
3歳以下の子供に対しては、ディートやイカリジンを適切に使用する方が安全で効果が高いと考えられます。
赤ちゃんとキャンプで使うオススメ虫よけ

【イカリジン15%】天使のスキンベープ 虫除けスプレー イカリジン ミストタイプ
イカリジンが15%配合されている「天使のスキンベープ」がおすすめです。
- 大人から子供まで1本でよく、虫よけ独特の匂いやべとつきがないため、使用後の不快感がありません。
スプレータイプは広範囲に噴射されやすく、赤ちゃんに塗布する場合は、大人の手のひらに噴射したあと、子どもを軽くたたくようにして塗るのがオススメです。
【ジェルやシートでピンポイントに】天使のスキンベープ 虫除け ジェル/ティッシュ
ミストタイプより少し値段が高くなりますが、ジェルタイプやシートタイプもあります。
赤ちゃんとキャンプに行く時の殺虫剤の選び方

虫よけスプレー等でしっかりと対策したうえで、蚊取り線香などの殺虫剤を組み合わせます。
キャンプで使う殺虫剤は蚊取り線香がオススメ
キャンプのような屋外では、蚊取り線香がオススメです。
殺虫剤は、家庭で使うような電気式やスプレー式などいろいろなタイプの製品がありますが、乾電池式などの蚊取り器と比較すると、蚊取り線香の効果は段違いです。
火傷の危険があるため、タープのポールや棚の上など、赤ちゃんや幼児の手の届かないところに設置しましょう。
殺虫剤の成分「ピレスロイド」は赤ちゃんにも安全
電気式やスプレー式、火を使う蚊取り線香、ほとんどが「ピレスロイド」を主成分としています。
ピレスロイドは人を含む哺乳類に対しては、速やかに代謝・分解されるために安全性が高いと言われており、赤ちゃんや幼児がいる環境でも使用可能です。
天然成分のピレトリンは効果が弱い
ピレトリンという除虫菊に含まれる成分を主成分とした蚊取り線香などの製品もあります。
少しでも優しい天然成分がよいという場合には、ピレトリンを成分とする殺虫剤がオススメです。
ただし、ピレトリンは光や空気分解性が高いとされているため、効果も優しい製品が多いようです。
赤ちゃんとキャンプで使うおすすめ殺虫剤

【やっぱり効果最強】富士錦 パワー森林香(赤色)
キャンパーならお馴染みのパワー森林香がオススメです。
主成分のメトフルトリンはピレスロイド系の化合物であり、赤ちゃんがいる環境でも使用可能です。
一般的な蚊取り線香よりの10倍以上の効果があるとされており、蚊をたくさん見かけた林間キャンプサイトでも、虫に刺されることなく過ごすことができました。
【天然成分が安心】けむりのやさしい 昔ながらの天然除虫菊 蚊取りせんこう
天然成分ピレトリンを使用した蚊取り線香です。
煙の量が抑えられていて、刺激が少ないため、蚊取り線香独特の煙が苦手な方にもオススメです。
【テントの蚊取り】アース 蚊取りスプレー おすだけノーマット
テント内では、火を使う蚊取り線香は火災の危険があるため、スプレー式の蚊取りが便利です。
「アース 蚊取りスプレー おすだけノーマット」は1プッシュで4.5畳から8畳あたり約12時間蚊を駆除できます。
家でも手軽に使えるので、一家に一個あると便利です。
まとめ
赤ちゃんや小さな子供とキャンプに行く時の虫対策について紹介しました。
長袖・長ズボンを基本として、虫よけスプレーや蚊取り線香などを組み合わせるのがオススメです。
虫よけスプレーは、ディートよりもイカリジンが配合されたものが安心です。
殺虫剤は、昔ながらの蚊取り線香が良く効きますが、設置場所など火の取り扱いに注意しましょう。
しっかりと虫対策をして、赤ちゃんとのキャンプを楽しんでみてください。
- 厚生労働省,平成17年,「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」,(2023年7月17日取得).
- 厚生労働省健康局結核感染症課,平成28年,「ジカウイルス感染症診療Q&Aについて」, (2023年7月17日取得).
- Centers for Disease Control and Prevention,2022,「Avoid Bug Bites」,(2023年7月17日取得).
- 厚生労働省医薬食品局,平成27年,「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」,(2023年7月17日取得).
- アース製薬,「イカリジンとは | 虫よけ剤サラテクト | アース製薬」, (2023年7月17日取得).
- KINCHO,「ピレスロイドの特長は? | 害虫コラム | ウルトラ害虫(がいちゅう)大百科 | KINCHO」,(2023年7月17日取得).
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