年末年始やGWなどの長期休暇は、遠方の実家に帰省や少し遠くへ旅行などを計画することがあると思います。
コロナ感染症の流行により、長距離の移動でも新幹線や飛行機のような公共交通機関だけではなくマイカーを検討する声も聞こえてきます。
夫婦二人の時とは異なり、赤ちゃんを連れて車で長距離を移動をするとなると、「いつ頃なら長距離移動ができるの?」「何時間も車に乗せていいの?」といった疑問が出てきます。
この記事では、医学専門雑誌や米国小児科学会の文献を調査してわかったことを紹介します。
※参考文献は最下部に記載しています。
赤ちゃんと車で長距離移動はいつから?
明確に何か月や何歳といった決まりやガイドラインはありませんでした。
長距離移動といっても目的が転居や里帰り先からの帰宅、冠婚葬祭など避けようがない場合があり、月齢や年齢は単なる数字でしかなく、赤ちゃんと親の状況によるところが大きいからです。
旅行の場合は、育児に不慣れな間はなるべく避ける方が良いとされています。
一方で、旅行はパパママが普段の疲れを癒し、赤ちゃんとゆっくり関わることができるというメリットがあるため、一概に制限をするものではないようです。
- 赤ちゃんの状況に合わせて親が安全に移動できるよう準備を行う
- 余裕を持ったスケジュールを組む
- 状況や体調に合わせて柔軟に対応できる
これらをの条件を満たすことができれば、移動を考えても良いでしょう。
赤ちゃんと車で長距離移動は何時間まで?
移動時間や距離をはっきり明記したガイドラインはありませんでした。
赤ちゃんにとって負担にならない程度だと考えられますが、赤ちゃんから負担かどうかを聴取することはできません。
チャイルドシートが苦手で泣いてしまう、環境の変化に敏感など、赤ちゃんの性格は様々なので車移動に慣れているかどうかは重要だと考えられます。
赤ちゃんの状況とそれを親が対処可能かどうかで距離と時間を決める必要があります。
突然の長距離移動でなければ、徐々に時間を伸ばして赤ちゃんだけでなく親が慣れておくと良いでしょう。
赤ちゃんが長時間移動に耐えられないと考えられる場合は、途中で1泊するなどの手段を準備しておきましょう。
赤ちゃんとの長距離移動ポイント5つ
定期的に休憩する
多くの文献では、2時間毎の休憩を推奨しています。
米国小児科学会は、昼間は2~3時間、夜間なら4~6時間ごとの休憩を勧めています。
一般的に運転者である大人も2時間毎の休憩が推奨されているため、親の休憩に合わせて赤ちゃんをチャイルドシートから降ろしてあげると良いでしょう。
数時間の移動であれば早朝、長時間の移動であれば夜間の赤ちゃんが寝ている時間が移動しやすいです。
休憩時は、親もしっかり休憩をとり、ストレッチをして身体に無理なく疲れや眠気で事故のないよう注意しましょう。
チャイルドシートを正しく使用する
走行中はチャイルドシートの使用が原則義務付けられています。
警察庁とJAF合同調査による日本のチャイルドシート使用率は74.5%、そのうち正しく設置できていないケース、正しく着座できていないケースはそれぞれ30%、50%だそうです。
チャイルドシートの設置方法や使用方法は、製品の説明書をよく確認しましょう。
乳児期はチャイルドシートを後向きで使用します。衝撃が一点に集中せず、頸椎への影響が少なくなるためです。
後向きの時期は製品によって違いがあります。
従来の安全基準であるR44製品では体重、近年の製品はR129という新しい安全基準になり、身長で規定されています。
これに伴って、後ろ向きの時期が1歳半頃までと従来製品より長くなっています。使用しているチャイルドシートの説明書きを確認してみてください。
赤ちゃんが泣くとつい抱っこであやしたくなってしまいます。チャイルドシートは赤ちゃんのお世話などで一時的に義務が免除される場面があるのですが、安全が保障されるわけではありません。
安全な場所に停止して、チャイルドシートから降ろすようにしましょう。
必要物品を用意しておく
ミルク用品やオムツ、着替え、水分、おやつなどは多めに準備をしておき、使う物は車内の取り出しやすい場所に置いておくと良いです。
赤ちゃんはチャイルドシートの中で身動きがとれないので、おもちゃで遊んだり、音楽を鳴らしたり退屈しないように工夫が必要です。
必ず後部座席に大人が乗り、走行中の赤ちゃんのお世話ができるようにしておきましょう。
途中で長く休憩をする場合は、座席を倒してマットを敷くなど、チャイルドシートから降りた赤ちゃんの寝床についても考えておくと良いです。
私たちは生後3か月と6か月の時に片道約800kmの距離をマイカーで帰省しました。その時に持っていてよかったおすすめグッズを以下の記事で紹介しています。
道中の利用できる施設を確認しておく
高速道路であればサービスエリア/パーキングエリア、一般道であれば道の駅や商業施設などオムツ交換台や授乳室の有無を確認しておきます。
設備が充実した施設で休憩を取れるように予定を組めば、赤ちゃんのお世話を気兼ねなく行えます。
あまりに長距離で、1日での移動が困難だと判断した場合は1泊を検討します。
ホテルを事前に予約しておけば安心ですし、閑散期であれば当日予約が可能なのである程度目星をつけておき、状況に応じて予約をするのも手だと思います。
ベビールームやおむつ台の有無はマップ形式で検索できる「ママパパマップ」というアプリが便利です。
車内事故に注意する
車内事故で特に注意が必要なのは、車内に赤ちゃんを残すことです。
子どもを車内に残した場合、特に暑い夏では数分の間に取り返しがつかない事故になります。
その他、子どもの車内事故として下記のような事故が報告されています。
- 車のドアに身体の一部が挟まる
- 高温になった車内部品で火傷する
- 車内のゴミに引火する
- シートベルトで首が締まる など…
寒い時期や暑い時期の移動では車内温度を適切に保ち、適宜子どもの服装を調整する必要があります。
また、長時間移動は日焼けの危険があるためサンシェードがあると良いです。
まとめ
赤ちゃんと車で長距離移動がいつからできるか、何時間までならいいのか、移動のポイントについて文献などを調査してみました。
何か月から、何歳から、何時間までといった決まりはなく、子どもの様子に合わせて余裕のあるスケジュールと準備をする必要があります。
車の長距離移動は大人でも疲れるため、赤ちゃんもずっとチャイルドシートに乗って動きを制限されることは望ましくないと考えられます。
大人の休憩のタイミングで赤ちゃんを安全な寝床へ移し、お世話をしたり、スキンシップをしたりして安心させてあげましょう。
予定通りには進まない可能性があることを十分に理解し、赤ちゃん優先の安全な移動への参考になりますように。
以下の記事に、実際に私たちが帰省で800km移動した時のレポートをまとめてみました。
コメント