登山で必要となる道具のひとつがトレッキングシューズ。
あまり出番がなさそうなので購入をためらっている、身近な山を登るのでハイカットのトレッキングシューズはちょっと大げさすぎるという方もいるかもしれません。
ローカットのトレッキングシューズであれば、登山以外にキャンプなどでも活躍し、デザインによっては普段履きでも違和感なく使えます。
私は旅行先で山に登ることも多く、旅行先の街歩きと登山を1足で対応するシューズをずっと探してきました。
この記事では、女性の私がオススメする普段履きできるローカット トレッキングシューズを10個紹介します。
普段履きできるローカットトレッキングシューズ10選
今回紹介するトレッキングシューズは、「ローカットであること」「山を歩けるグリップ力があること」「私服と合わせられるデザインであること」を重視して選んでいます。
商品名 | ベクティブ エクスプロリスⅡ フューチャーライト | X ULTRA 4 GORE-TEX | Outpulse | El Chalten Trekking Shoes LOW | ANACAPA LOW GTX | Cloudventure Waterproof | LONE PEAK ALL-WTHR LOW | OUTROAD | テレックス AX4 GORE-TEX ハイキング | プライマストレイルⅡ FG ウィメンズ |
メーカー | THE NORTH FACE | Salomon | Salomon | ZERO GRAM | HOKA ONE ONE | on | ALTRA | ALTRA | adidas | Vivobarefoot |
重量(片足) | 371g | 313g | 300g | 400g | 335g | 265g | 295g | 249g | 約400g | 211g |
価格 | 24,970円 | 19,800円 | 17,600円 | 23,100円 | 31,900円 | 19,580円 | 25,300円 | 18,700円 | 16,500円 | 20,900円 |
ベクティブ エクスプロリスⅡ フューチャーライト|THE NORTH FACE
山でも街でも良く見かけるTHE NORTH FACEからは、「ベクティブ エクスプロリスⅡ フューチャーライト」を紹介します。
黒×グレーの落ち着いたカラーやアッパー部分の装飾の少ないデザインは一見スニーカーのようで、普段履きでも違和感なく使えそうです。ソールも比較的柔らかく、ロッカー形状(靴底が湾曲している)なので、スムーズに歩けます。
トレッキングシューズとしても、独自の「VECTIV」システムという3層構造のソールで安定性・クッション性・防滑性を備え、更にロッカー形状ソールでぐいぐい前に進む推進力があります。独自に開発した「FUTURELIGHT」という防水透湿素材を使うことで、急な悪天候から足の濡れを守ってくれます。一方、ソールやアッパー素材の柔らかさから岩稜帯などのテクニカルなルートは不向きと考えられます。
ソールを見ると、接地面がやや小さいため、舗装路での使用が多いと摩耗が早そうな印象があります。山で使っていてソールが減ってきたら普段履きをメインで使用していくという使い方でもよいかもしれません。
普段履きでも違和感ないカラーやデザインは今回紹介するシューズのなかでも上位に食い込みます(個人的に)。
X ULTRA 4 GORE-TEX|Salomon
トレッキングシューズは派手なカラーやデザインが多いですが、Salomonのシューズはダーク系のカラー中心で普段履きでも使えそうなシューズが多くあります。
「X ULTRA 4 GORE-TEX」のデザインは、スニーカーとまでは言えませんが、普段でも履けそうです。
ローカットシューズですが、Advanced Chassisという素材によって足首のひねりを防止し、ミッドカットに劣らない保護力があります。また、全方向への確実なグリップと剛性あるソールでテクニカルなルートでも歩くことができるよう設計されています。
実際に私も履いてみて、靴全体としてかなり硬く、靴内部で足がしっかり固定され、ソールは段差や岩などで踵が抜けやすい状況でも身体が安定する安心感がありました。幅が狭めのシューズなので、サイズ選びに注意が必要そうです。幅広の方はwideモデルを検討すると良いかもしれません。
ソールが硬いので舗装路は歩きにくいですが、あらゆる山登りで性能を発揮します。
Outpulse|Salomon
Salomonからもう一足紹介するのは「Outpulse」です。
先ほどの「X ULTRA 4 GORE-TEX」よりも、シンプルなデザインで普段履きでも馴染みそうです。
ソールには「Fuze Surge」「Energy Blade Outdoor」「All Terrain Contagrip」などのテクノロジーが採用され、安定感と推進力で歩行をサポートしてくれます。「X ULTRA 4 GORE-TEX」と比較すると、軽快さを求める登山に向いています。
私は「X ULTRA 4 GORE-TEX」と悩み、「Outpulse」を購入しました。
実際に山や街で履いてみて、クッション性や剛性はそれほど高くありませんが、グリップ力に優れ、日帰り山行で大活躍しています。最近は子どもを背負って山を歩いていますが、しっかり足元をサポートしてくれています。1泊以上の山行でも荷物を厳選して軽量化すれば問題なく歩けそうです。
ソールが硬すぎず、ロッカー形状であるため、平たん路や舗装路でも歩きやすく疲れにくいので、気に入っています。
El Chalten Trekking Shoes LOW|ZERO GRAM
ZERO GRAMは韓国のアウトドアメーカーで2014年に日本でデビューしました。
El Chaltenという軽量テントが有名ですが、同じ名前で2022年にトレッキングシューズが発売されました。
「ライトトレッキングからアーバンハイキングまでカバー」と公式サイトで記載されている通り、落ち着いたカラーとデザインで、個人的には今回紹介するシューズの中で普段履きとしては最もデザインが気に入っています。
アウトソールにはグリップ力に定評のあるVibram Megagripソールを使用しており、トレイルでも安心して歩けそうです。
以前より気になっているメーカーであり、シューズのデザインがとてもかわいいので購入の候補でしたが、取り扱っているところがほとんどなく、試着できなかったため断念しました。
Unisexでサイズが24cmからとなるため、足の小さな女性は注意が必要です。
ANACAPA LOW GTX|HOKA ONE ONE
「ANACAPA LOW GTX」はHOKA ONE ONE独特の厚みのあるソールで、ブラックやアースカラーでおしゃれなシューズです。
リサイクルポリの使用など環境に配慮されているのが嬉しいです。
6mmの厚底クッションで長時間履いていても疲れにくく、旅行や街歩きでも重宝します。ふわふわ跳ぶ感覚のクッションは軽快な歩行を可能にし、トレイル外でもさっと走り出せそうです。
山歩きではグリップ力と安定性への信頼があるVibramソールが活躍します。
ランニングシューズに流行りのかかとが出っ張ったデザインは好みが分かれるかもしれません。安定性の向上を図っていますが、下りの場面では引っかかりに注意が必要だと感じました。
実際に履いてみて、クッション性が病みつきになりそうで、疲労を軽減してどこまでも歩いていけそうでした。一方で地面の感触は捉えにくそうで、自分の足で一歩一歩踏みしめて歩く山歩きよりは、バネの力で軽快に前に進むランに良さそうに思いました。
Cloudventure waterproof|on
ランニングシューズのイメージが強い「on」ですが、いくつかトレイルに対応したモデルがあります。
「Cloudventure waterproof」は、あらゆる悪路に対応したグリップ力でトレランなどの軽快な足運びが得意なシューズです。
悪路でも軽快に走れるmissiongripやcloudtec のクッション性で衝撃を吸収し、快適なランを実現します。ハイキングシューズに分類されていますが、どちらかというとトレイルランニングシューズの色が強いです。重い荷物を背負うような登山ではなく、軽快な日帰り登山に向いていそうです。
このシューズに限らずonのシューズはどれも落ちついたデザインであるため、普段履きにも問題なく馴染みそうです。
以前に、onのランニングシューズを履いてときは、on独特のソールの凸凹に小石が挟まるのが気になりました。このシューズも同じように凸凹があるため、山では小石が挟まりやすいかもしれません。
LONE PEAK ALL-WTHR LOW|ALTRA
ALTRAの代名詞ともいえるLONE PEAKのALL-WTHRを紹介します。
これまで紹介してきたシューズと大きく異なるのは、ゼロドロップであることです。適度にクッション性があり、初めてのゼロドロップシューズとして選びやすいです。
靴全体として軽くて柔らかいので、足馴染みが良く舗装路でも歩きやすいです。それなりの重量を背負い、一歩一歩の安定感を求める場合は、ソールの柔らかさに物足りなさを感じるかもしれません。足馴染みが良い分、耐久性はそれほど高くないと言われ、ハードに使用すると消耗が早いようです。
ALTRAの特徴として、靴先が広いフットシェイプデザインで足指が自由に動くため、自分の足の指先まで使って歩く感覚を楽しむことができます。
実際に履いてみたところ、クッション性があり雲の上を歩いているようで、重量も軽くどこまでも長く歩けそうな感覚でした。定評のあるソールはかなりグリップ力があり、山でも安心して歩けそうでしたが、柔らかい素材であるため、舗装路を長く歩く場合は消耗が早そうです(店員さんもそう言っていた)。
最近新しいモデルが出て派手なカラーになったので旧モデルは在庫のみとなります。
OUTROAD|ALTRA
ALTRAといえば、1つ前に紹介したLONE PEAKが有名ですが、LONE PEAKはトレイル色が強いです。ロードとトレイルの両方に使えるモデルとして「OUTROAD」を紹介します。
一般的なハイキングシューズと比較してソールの接地面がかなり広いので舗装路でも安定し、ラグの形状によって山でもグリップするようになっています。
クッション性があり、跳ねる感覚が足運びを助けてくれます。舗装路でもクッションが効いて疲れにくいので街でも山でも活躍します。
LONE PEAKは足幅が広く作られていますが、OUTROADはALTRAの中では狭く作られているため、細身の足の方にお勧めできます。
実際に履いてみて、履き心地が気持ちよくて気に入ったのですが、普段履きとしてはカラーがやや奇抜だったので購入を断念しました。ブラックなら靴紐を交換すればよかったかもしれませんが…
テレックス AX4 GORE-TEX ハイキング|adidas
あまりトレッキングシューズのイメージがないadidasですが、「テレックス AX4 GORE-TEX ハイキング」という山でも使えるシューズがあります。
側面の3本ラインが特徴的なスニーカーのようなデザインで、普段履きでも違和感がありません。
アウトソールは欧州の車に使われているタイヤメーカーが開発したContinentalラバーが悪路でもしっかりグリップします。
GORE-TEXで防水仕様のため、濡れた靴を履き続ける不快感がない点が嬉しいです。
シューズ自体が比較的硬いので、足に馴染むまで多少時間がかかる傾向にあるようです。
他のシューズと比較して、お手頃な値段なので、登山を始めたいけどあまりお金を掛けられない、そんなに山に行かないかもしれないといった方にオススメです。
新モデルとなってカラーが変更になりました。旧モデルのブラックは店舗在庫のみとなります。
プライマストレイルⅡ FG ウィメンズ|Vivobarefoot
Vivobarefootは、ベアフットシューズだけを作っているメーカーです。
トレイルにも対応するモデルとして、「プライマストレイルⅡ FG ウィメンズ」を紹介します。
VivobarefootのシューズはALTRAと同じゼロドロップシューズですが、クッション性がほぼないのが特徴です。シューズのクッションに頼らないことで、自然な歩き方を身に着け、怪我を防止しようといった考え方です。公式サイトでは、すごい熱量でベアフットについて記載されているので、興味のある方は見てみてください。
実際に履いてみて、通常のスニーカーと同じように歩いてみると踵に衝撃が強くあり、このシューズを履き続けると歩き方が変わりそうだと感じました。いきなり山にこのシューズを履いていくには不安があり、街で少しづつ足を鍛えていく必要がありそうですが、とても面白いシューズです。
クセの強いシューズであるため、取扱店舗が少ないため場所は限られますが、是非試着してから購入することをオススメします。
夫が普段履きとして「プライマスライト Ⅲ」というモデルを履いて足を鍛えています。以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
ローカットの普段履きもできるレディース向けのトレッキングシューズ10選を紹介しました。
山でも安心して歩ける機能性と、街に降りてきても違和感のないデザインのシューズは使いやすさ抜群です。
ただし、山に適したソールパターンは舗装路では摩耗が早かったり、ローカットであることでテクニカルな山歩きには適さなかったり、完全な両立は難しいため、特徴を理解して使用する必要があります。
山も街も1足で歩きたいというわがままを叶えてくれるシューズに出会えますように!
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