山岳用テントで有名なMSR(Mountain Safety Research)の「ステイクハンマー」は普通のペグハンマーとは見た目が大きく異なります。
私は特徴的なデザインに惹かれて発売後すぐに購入しました。
鍛造ペグであるスノーピークのソリッドステーク(ソリステ)を主に使っていますが、硬い地面にも打ち込めています。
この記事では、デザインだけでなく実用に耐えるか、ハンマーとしては高価だが価格に見合う価値があるかという観点でレビューします。
ステイクハンマーのメリット
ソリステなどの鍛造ペグも打てる
ソリッドステークなどの鍛造ペグも、コツを掴めば問題なく打ち込めます。
ステイクハンマーはハンマーの中でも軽量な製品ですが、ヘッドはステンレスで程よい重さがあります。遠心力をうまく使うことで、硬い地面でも鍛造ペグをしっかりと打ち込むことができます。
ただし、スノーピークなどの重さのあるペグハンマーと比較すると、軽量なので振りぬく速度を早くする必要があります。
大型のテントのように何十本も打つ場合は、手への振動が蓄積して疲れを感じます。
耐久性も問題なし(リベット止めの部分に注意)
華奢な見た目ですが、耐久性もあります。
私のメインのペグはソリステ30cmなので毎回かなりの力で打ち込んでいますが、購入から5年以上経過しても、ヘッドのぐらつきは見られません。ヘッドの打撃部分やペグ抜き部分も壊れていません。
ネットで調べているとヘッドとハンドルをつなぐリベット部分が壊れて、分離している方もいました。
硬い地面のときはかなりのスピードで打ち込むので、分離すると危険です。
ヘッドがぐらついてきたら使用を中止した方が良さそうです。
軽いのでどこでも持っていける/子どもでも扱いやすい
ステイクハンマーは重さ 320g(カタログでは312g)です。
一般的なペグハンマーは500~600gあるため、約半分の重さです。
オートキャンプでは重量はあまり気にしませんが、公共交通機関を利用したキャンプや、海外でキャンプをするときには軽量であることが持ち運びに大きなメリットとなります。
また、力の弱い子どもでも取り回しが楽であるため、テント設営のお手伝いができます。
瓶ビールを開けられる
ステイクハンマーのヘッド部分で瓶ビールを開けられます。
キャンプでおしゃれに外国産ビールで乾杯したくて瓶ビールを買ったとき、普段は缶ビールなので栓抜きがないことがありました。
ペグハンマーはキャンプに必ず持って行くので、忘れることがありません。
北米では瓶ビールが主流です。
捻って開けられる蓋が多いですが、たまに栓抜きが必要なやつがいて、キャンプ地で絶望したことがあります。
個人的に、このような遊び心のある機能とデザインの両立に惹かれました。
ステイクハンマーのデメリット
ソリステは抜きにくい
深く打ち込んだソリステは抜きにくいです。
ソリステは横の突起部分が地面に埋まってしまうと引っかかる部分が少ないです。
ステイクハンマーはヘッド裏側の部分をてこの原理のようにして抜くので上手く使えません。
私はソリステを抜く時は別のソリステを穴に通して抜くのでそこまで致命的ではありません。
ハンマーでソリステを抜きたい人は注意が必要です。
ソリステをサクサク抜いて撤収したい人は、スノーピークなどのフックの付いたハンマーが向いています。
ハンドル部分が滑りやすい
ハンドルはストレートで滑り止めも付いていないシンプルな形状です。
汗ばむ季節や雨の時は滑りやすいので注意してください。
前述の通りソリステを硬い地面に打ち込むときはスピード重視で振り下ろします。
遠心力を使ってという記載と矛盾しますが、横に振るのではなく下に振り下ろすイメージだと万が一手から抜けてしまっても周囲に飛んでいくことがありません。
滑りにくいようにパラコードを巻いたり、自転車用のグリップを付けるカスタムができるようです。
ハンドル先端についている紐は短くて手に巻くことができないため、交換するのもオススメです。
まとめ
MSRのステイクハンマーは、普通のペグハンマーとは少し異なるデザインです。
他のペグハンマーとの一番の違いは重さです。
軽量なので鍛造ペグを硬い地面に打ち込むときは少しコツが必要です。
長年使い続けても、ガタツキは見られず耐久性は安心です。
鍛造ペグを不安なく打ち込みたい/引き抜きたいという場合には、ある程度の重さがあってフックがついたスノーピークなどのハンマーをお勧めします。
ステイクハンマーのデザインや軽量性に惹かれた方は、購入しても後悔しないと思います。
Amazonなどには模造品もありますが、壊れたときは怪我に繋がりやすいので、是非正規品を検討してみてください。
コメント